はじめに

北海道内で離婚に伴う不動産問題、特に住宅ローンの残った自宅の扱いに悩まれている皆様、こんにちは。

離婚の際、家を引き取りたいと考えても、相手方との持分割合が極端に少なかったり、自分一人の所得ではローン審査が通らなかったりして、諦めてしまうケースは少なくありません。しかし、「法律の知識」と「親族の協力」、そして「銀行を納得させる実務」を組み合わせれば、道は必ず開けます。

今回は、札幌家庭裁判所での調停に至った離婚に当事務所が元妻の方から依頼を受け、「元夫9割:元妻1割」という圧倒的に不利な持分状況を覆し、実父からの贈与と実妹様との所得合算によって「姉妹での共有名義により引取り」を成功させた実例(令和7年3月引渡)を詳しく解説します。

1.実例の概要:札幌家庭裁判所での調停事案

項目詳細内容
物件種別令和5年築 中古一戸建て(4LDK / 約40坪)
従前の所有持分元夫 9割 ・ 元妻 1割(共有名義)
取得後の所有名義元妻 ・ 実妹(共有取得)
状況札幌家庭裁判所の調停中、調停外で協議成立
売買金額4,600万円(ローン残債4,000万 + 財産分与相当額600万)
ローン借入額4,200万円(信用金庫/実妹様との連帯債務)
自己資金(頭金)500万円(実父からの住宅取得等資金の贈与)

相談時の絶望的な状況

相談者(元妻様)は、持分1割の共有者。家裁での調停は、元夫側の代理人弁護士との間で難航していました。「1割の持分しかない元妻が、どうやって4,000万円超の債務を整理して家を引き取るのか」という点が争点でしたが、当事務所が「住宅ローン借り換えの出口戦略」を提示したことで事態が急展開しました。

2. 成功の鍵:調停を実務で動かした「3つの専門的支援」

通常、弁護士は「法律の整理」は行いますが、「銀行融資の手配」までは行いません。
当事務所は、単なる不動産会社としてではなく、法律の実務家として以下の調整・橋渡しを完遂しました。

① 調停外での「弁護士協議」と「解決スキーム」の提示

当事務所は依頼者の元妻の方に家裁調停の進め方や主張内容の基礎的知識を提供する一方、調停外で相手方(元夫)の代理人弁護士に対し、 当事務所が仲介し、銀行に事情経緯を説明し、「依頼者の元妻と妹との所得合算によって融資を受けることによって、元夫が住宅ローン債務から完全に解放される。」プランを具体的に提示し、これにより、弁護士側も「解決策があるならと期限を付する」ことで、依頼者の元妻の方と調停外で銀行も納得する協議案が成立という結果となりました。

② 登記持分に惑わされない「財産分与の原則」の適用

登記上が「9:1」であっても、夫婦の間においては法律上の持分(財産分与)は、婚姻前からの預貯金や相続財産などの特有財産を頭金・返済金にあてていなければ夫婦の財産分与額は各自「2分の1ずつ」が原則です。

  • 時価5,200万円 - ローン4,000万円 = 資産価値1,200万円(財産分与額)
  • 1,200万円 ÷ 2 = 600万円(元夫が受取るべき財産分与額)、 この計算に基づく売買価格4600万円(残債4000万円+財産分与額600万円)を銀行に提示し、調停内容と矛盾しないことを説明し了解を得ました。

③ 家族の強力なバックアップ:実父の贈与 + 実妹との共有

今回の決定打は、ご親族の協力です。

  • 実父からの500万円贈与: 「住宅取得等資金の贈与」の非課税特例を活用し、頭金として投入。これにより借入比率を下げ、銀行の承認率を高めました。
  • 実妹様との「共有名義・所得合算」: 依頼者の元妻お一人では不足する所得を、同居する実妹様の所得と合算。「姉妹での連帯債務・共有名義」とすることで、4,200万円の融資を勝ち取りました。

3. 実務家による「法的・税務的」なフォロー

本案件では、以下の実務をワンストップで行いました。

  • 銀行への「事件性なし」の説明: 紛争中の案件を嫌う銀行に対し、調停外での協議書を論理的に説明し、安心を得て融資了解を取り付け。
  • 重要事項説明書・売買契約書の作成: 姉妹共有の性質を盛り込み、将来の法的安定性を確保。
  • 不動産取得税の軽減手続: 築浅物件の大きな税負担を、適切な軽減申告代行により抑制。
  • 住宅ローン控除の適用支援: 姉妹共有での適切な控除適用のためのスキームを構築。

4. まとめ:札幌で「家裁調停」と「住宅ローン」に悩む方へ

今回の事例は、令和7年4月の決済という極めて新しい、かつ難易度の高い成功例です。 家裁で調停中であっても、弁護士とは別に「不動産・ローン・法律実務」に精通した専門家が介入することで、解決のスピードは劇的に上がります。

  1. 登記持分に惑わされず、財産分与の原則を銀行交渉の武器にする
  2. 相手方弁護士に「具体的な資金計画(融資の確約)案」を提示する。
  3. 親族(父・妹)の協力を最大限に活かせる専門的な契約を組む

このプロセスにより、当初は持分1割で追い詰められていた元妻様は、今や実妹様と共に、安心できるご自身の家で新しい生活を送られています。
      
(編集後記)
当事務所のメッセージ
家を引き取りたいなら、「法律」だけでなく「お金の出口」を作るプロの介入が不可欠です。
当事務所は、法的な争いを「幸せな住まい」に変える唯一無二のパートナーと自負しております。

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