はじめに
札幌市内で不動産購入を検討されている外国籍の皆様、そして知人同士での不動産売買(個人間売買)をお考えの皆様、こんにちは。
「外国籍で、しかも勤務先が外資系(米国企業)だと日本の銀行ローンは組めないのではないか?」「不動産会社を通さない知人同士の売買は審査が通らないのでは?」といった不安の声を多く耳にします。
結論から申し上げます。適切な手順を踏み、銀行に対して「所得の継続性」と「取引の透明性・法的安定性」を証明できれば、外国人同士の個人間売買でも、北海道最大手の地方銀行からフルローン(諸経費込み)の承認を得ることは十分に可能です。
今回は、札幌市厚別区で実際にサポートさせていただいた、平成24年築の大型中古一戸建てを外国人知人同士で売買し、4,000万円以上の融資を勝ち取った実例を徹底解説します。
1.実例の概要:札幌市厚別区の5LDK優良戸建
| 項目 | 詳細内容 |
| 物件所在地 | 札幌市厚別区 |
| 物件種別 | 木造2階建 中古一戸建て(平成24年築) |
| 売主・買主の関係 | 知人同士(共に外国籍) |
| 買主様の属性 | 米国企業勤務(外資系)/日本人配偶者あり |
| 融資形態 | 北海道最大手地方銀行/日本人配偶者と連帯債務 |
| 融資実行額 | 4,200万円(フルローン) |
| 契約・引渡 | 令和2年2月中旬契約 / 3月下旬引渡 |
相談の背景
売主様・買主様は共に日本に生活基盤を置く外国籍の方々でした。買主様は米国企業に勤務されており、高い収入がありましたが、日本の金融機関から見ると「海外資本企業からの給与評価」や「個人間売買の不透明性」がネックとなり、窓口では非常に厳しい反応を受けていた状況でした。
2. 外国人同士の個人間売買に潜む「3つの大きな壁」
なぜ、このケースが一般的な不動産取引よりも難易度が高いとされるのか。そこには日本の金融機関が懸念する特有のハードルがあるからです。
① 「在留資格」と「居住の永続性」
多くの銀行では、住宅ローンの条件として「永住権」を必須としています。しかし、今回は買主は日本人配偶者がいらっしゃること、および適正な在留資格(配偶者ビザ等)を有していることを根拠に、日本に永住する意思と社会的信頼性を補完しました。
② 「米国企業(外資系)の収入」の評価
日本の銀行は、日本の法人からの給与を好みます。米国企業勤務の場合、給与体系や雇用形態が日本の慣行と異なるため、その収入が「安定して継続するものか」を厳しく問われます。
③ 「外国人の個人間売買」による不透明性
不動産業者が仲介に入らない売買では、価格が適正か、物件に問題がないか、反社会的勢力が関わっていないかを銀行が自ら調査しなければなりませんが、更に外国人同士の売買、かつ、日本の慣習や法律の理解が不十分なために起こりうる紛争のリスクを回避するため、銀行は「プロが作成した売買契約書」を強く求めます。
3. 融資承認を勝ち取った「戦略的アプローチ」
対策1:米国企業からの収入を「証拠書類」で完全立証
銀行の審査部門が最も懸念した「米国企業からの収入」に対し、当事務所では以下の英文資料をすべて収集し、精密な翻訳を付して銀行へ提出しました。
- 雇用契約書(Offer Letter): 役職、職務内容、雇用形態の永続性を証明。
- 給与通知メール(Salary Advice): 月々の給与内訳を詳細に立証。
- 入金記録(Bank Statements): 実際に海外から本人の口座へ資金が振り込まれている事実を紐付け。
- 納税証明書(Tax Payment Certificate):外国企業からの収入も含め申告所得の住所地の税務署が発行。
「確かにこの仕事で、この金額が、継続的に支払われている」というエビデンスを揃えることで、北海道最大手地銀の審査担当者の理解を得ることに成功しました。
対策2:日本人配偶者との「連帯債務」スキーム構築
買主様(外国籍)お一人での審査ではなく、日本人の配偶者様を「連帯債務者」とすることで、銀行側の回収リスクを軽減しました。これにより、日本での社会的な定着度も高く評価されました。
対策3. 法律実務家としての真骨頂:法的安定性を担保する「二か国語併記」と「特約」
外国人同士の売買で最も恐ろしいのは、将来的な「言った・言わない」の争いや、契約解釈の相違です。当事務所では、重要事項説明書と売買契約書に英訳を併記した上で、法的に以下の2点を明記し、徹底的なリスクヘッジを行いました。
① 「日本語・日本法」を唯一の基準とする。
翻訳はあくまで補助的なものとし、「契約の解釈及び法的判断は、日本語の原文および日本国法を基準とする」旨を明記しました。これにより、英語のニュアンスの差によるトラブルを未然に防ぎます。
② 裁判管轄を「札幌地方裁判所」に限定
万が一、契約に関連して紛争が生じた場合、どこの国の裁判所で争うかを明確にしておく必要があります。これを「専属的合意管轄裁判所として、不動産所在地を管轄する札幌地方裁判所とする」と明記しました。
この「法的な逃げ道の遮断」と「明確な責任所在の提示」こそが、銀行に「この取引は日本の法律下で完全に制御されている」という安心感を与え、4,000万円を超える高額融資を後押しする結果となりました。
4. 実行されたスキームと驚きの成果
① 4,200万円の「諸経費込みフルローン」
物件価格に加え、登記費用や火災保険料などの諸経費まで含めたフルローンの承認を得ました。日本人配偶者を「連帯債務者」とするスキームを構築し、地銀最大手から有利な条件を引き出しました。
② 住宅ローン控除と税金軽減のフル活用
適切な居住用不動産としての契約構成により、10年間にわたる住宅ローン控除の適用を確保。さらに、不動産取得税の軽減手続も当事務所で代行し、多額の支出を抑えました。
③ 仲介手数料を160万円以上節約
通常、不動産会社に仲介を依頼すると「売買価格×3%+6万円」の仲介手数料が、売主・買主双方にかかります。
- 通常:4,000万円の売買なら、双方合わせて約252万円(税別)
- 今回:コンサルティング契約と書類作成支援により、総額で160万円以上のコストカットを実現。
5. まとめ:札幌での外国人不動産取引を成功させるために
今回の事例は、「米国企業勤務」「外国人同士の個人間売買」という難条件を、正しい戦略と「翻訳・リーガルチェックの徹底」で解決した好例です。
札幌の銀行は保守的ですが、しっかりとした根拠と、日本の法律に基づいた完璧な書類があれば、外国籍の方の夢をサポートしてくれます。
当事務所のアドバイス
銀行は「予測不能なリスク」を最も嫌います。 英訳併記、日本法準拠、管轄裁判所の指定。これらをプロの目線で契約書に明確に組み込むことが、融資承認を勝ち取るための最短ルートです。
(編集後記)
次のステップとして、私にできること
「海外からの収入をどう証明すればいい?」「個人間売買で後からトラブルにならない契約書を作りたい」とお悩みではありませんか?
今回の事例のように外国人の方々でお悩みの方がおられれば、お気軽にご相談ください。あなたの札幌での安全な不動産取引を、プロの技術で支えます。
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