はじめに
「親の家を買い取る話が進んでいたのに、土壇場で銀行からストップがかかった」 「原因は、庭にある立派な車庫(物置)だった……」
札幌をはじめ、北海道の戸建てには欠かせない「イナバ物置」や「後付けのガレージ」。実はこれらが、親族間売買の住宅ローン審査を根底から覆す「爆弾」になることをご存じでしょうか。
今回は、私が現場で実際に直面し、泥臭く解決した「未登記建物」のリアルな舞台裏をお話しします。
1. 銀行の宣告:「現況と登記が違います」
北海道の広い敷地。冬の除雪道具やタイヤを保管するために、多くの家庭で大型の物置を設置したり、立派な車庫を増築したりしています。
親族間売買で住宅ローンを申し込むと、銀行は必ず「現況調査」や「評価」を行います。そこで担当者が目にするのは、「登記簿には載っていない立派な建物」です。
なぜ銀行は「未登記」を嫌うのか?
銀行の理屈はこうです。
「担保にする家が、図面と形が違う。これは法令遵守(コンプライアンス)違反の可能性がある物件だ。そんな怪しい物件に、何千万円も貸せません。」
通常の第三者間売買なら不動産仲介会社が事前にチェックしますが、直接の個人間や親族間売買では誰も指摘しないまま審査に突入し、「決済直前で否決」という最悪の事態を招くのです。
2. 実務の現場:私が目にした「冷や汗もの」の光景
ある札幌市内の案件でした。親子間での売買、ローンも内定し、あとは決済を待つばかり。しかし、銀行から一本の電話が入ります。
「田村先生、現地の写真を見たら、登記にない大きな車庫がありますよね。これ、表題変更登記(現況に合わせる登記)を完了させないと、融資は実行できません」
決済まで、残りわずか。通常、測量して図面を引き、法務局へ登記申請して完了するまでには2週間以上かかります。このままでは契約違反になり、当事者の信頼関係までギクシャクしかねない……。そんな緊迫した場面でした。
3. 田村流・泥臭い解決策:スケジュールを「ねじ込む」執念
ここで私の「トリプルライセンス」が火を噴きます。
- 現場へ急行し、即座に判断: その物置が「建物」として認定されるべきもの(基礎があり、屋根・壁がある)か、すぐに判断。
- 土地家屋調査士との超スピード連携: 長年の付き合いがある調査士に電話し、「明日、朝一番で測量に入ってくれ!」と直談判。
- 銀行担当者への「ロジック攻撃」: 「今、調査士が動いています。登記完了の『受領証』が出たら、実行の準備を進めてください」と、法務局の完了を待たずに手続きを並行させるよう交渉。
- 法務局への「お願い」: 司法書士として、この決済がどれほど重要かを伝え、少しでも早く処理が進むよう(法的な範囲内で)現場の調整を行います。
結局、寝る間を惜しんで書類を整え、決済当日の午前中に登記が完了、午後の決済にギリギリ間に合わせました。
4. 教訓:北海道の親族間売買、まずは「庭」を見てください
「たかが物置」と侮ってはいけません。北海道では冬の生活を守るための設備が、不動産取引では「リスク」に変わります。
失敗しないためのチェックリスト
- 登記簿の面積と、実際の家の形が違っていませんか?
- 庭に「基礎がある物置や車庫」を後から建てていませんか?
- 銀行に申し込む前に、専門家(私のような実務家)に現地を見せていますか?
個人間や親族間売買は、ただでさえローン審査が厳しいものです。そこに「未登記」という不備が重なれば、即アウト。だからこそ、「書類上の数字」ではなく「現場の現況」から逆算してスケジュールを組める専門家が必要なのです。
最後に:札幌・北海道の不動産を守るために
個人間や親族間売買は、家族の思い出を次の世代に繋ぐ大切なプロセスです。それを、たった一つの物置のせいで台無しにしてほしくありません。
「うちの車庫、大丈夫かな?」と少しでも不安になったら、銀行へ行く前に私にご相談ください。現場を歩き、泥臭く動き、あなたの家族の「安心」をカタチにします。
⇩
北海道の親族間売買については、次の公式ページで実務上の注意点まで解説しています。
→親族間売買|住宅ローン審査対策|否認回避・価格基準|北海道
→住宅ローン審査を通す相談|再申込・否決対策|札幌近郊
[無料相談・お問い合わせはこちら】