はじめに

親族間で不動産を売買する「親族間売買」。
「親から家を購入したい」「兄弟から家を買いたい」というケースは少なくありません。

しかし、親族間での不動産取引は通常の売買よりも注意点が多く、特に住宅ローンの利用には制約があることをご存じでしょうか。

この記事では、親族間売買で住宅ローンを組む際のポイント、審査が厳しい理由、注意すべき税務リスク、成功事例まで、実務経験に基づいて徹底解説します。

結論から言うと、親族間売買でも住宅ローンは組めます。
ただし、私の経験では、北海道(札幌)では、親族間売買で一括りするのではなく、事案(生計同一や同居などの状況)によって各金融機関の審査基準が異なりますが、第三者間売買よりも慎重に審査を行っています。

1.親族間売買でも住宅ローンは原則組める

1-1. 金融機関の基本スタンス

なぜなら、金融機関は「お金を貸して返済が滞らないか」を審査するだけでなく、贈与や仮装売買のリスクも考慮するからです。

つまり、親族間売買の住宅ローンは「ダメなわけではないが、審査が厳しい」と理解しておく必要があります。

1-2. 対応可能な金融機関

北海道の地方銀行・信用金庫:親族間売買の相談実績があるところと無いところで対応が変わります。

一部ネット銀行:条件付きで対応可能だが、ほとんど厳しいというのが実感です。

都市銀行:標準的には第三者間売買を想定しているため、審査が厳しい

ポイント:金融機関選びが住宅ローン審査成功の鍵になります。
    私は事案によって持っていく金融機関が経験と実績で決まっています。

2.親族間売買の住宅ローンが厳しくなる理由

2-1. 売買価格の妥当性が問題になる

親族間売買では、市場価格よりも安い価格で売買されることが多いです。
しかし、極端に安い価格で住宅ローンを組むと、金融機関は「この取引は贈与ではないか?」と疑います。

市場価格との差額が大きい場合:みなし贈与と判断されるリスク

査定書がない場合:金融機関が価格を裏付けできない

対策:私の場合は、取引事例(レインズ)に基づく信頼性の高い不動産査定書を作成し、かつ、税務署の相続評価にもちいる土地の路線価(一応時価の80%と言われています)による評価を行い、更に固定資産評価額も参考にして適正価格を算出しますが、この作業がとても重要です。

2-2. 契約内容や資金の透明性が求められる

親族間売買は「口約束で済ませやすい」という特徴があります。
しかし住宅ローン審査では、契約書や資金授受の透明性が重視されます。

契約書が簡易すぎる

支払い方法が不明瞭(現金払いは通用しないと考えてください。私の場合は少なくても送金でやって頂いてます)。

資金の流れが書類で確認できない(私がお受けした現金の事案は、出所の証拠も残すよう助言をしています)。

金融機関は書面での証明を求めるため、契約書の形式・内容が審査通過に直結します。

2-3. 親族関係そのものが審査材料になる

金融機関は、売主・買主の関係を確認します。

「親子・兄弟間の売買は贈与の可能性がある」

「返済が実質不要になっていないか」

そのため、親族関係の明確化と資金のやり取りの記録化が求められます。

3.親族間売買で住宅ローンを組む場合の準備ポイント

3-1. 適正価格の設定

市場価格を基準に売買価格を決定

成約事例に基づく不動産査定書を用意、通常の査定書は危険(なぜなら、その査定書は売却の依頼を受けるために時価を無視して作成した査定書であることが結構多いため)です。

相場と価格差が大きい場合は、説明資料を作成

3-2. 契約書・資金授受の明確化

売買契約書を作成(口頭・簡易書面はNG)

売買代金の授受は銀行振込など証明可能な方法で行う

必要に応じて「売買理由書」を添付

3-3. 専門家の関与

宅地建物取引士・司法書士:契約書のチェック

司法書士:所有権移転登記、ローン契約書類の確認

税理士・FP:みなし贈与・贈与税リスクの確認

これにより、金融機関への説明責任を果たせ、審査通過率が大幅に上がります。

4.親族間売買での住宅ローン審査の流れ

事前相談
金融機関に親族間売買の意向を伝える

資料準備

売買契約書

査定書

親族関係書類・理由書

ローン審査申込
事前相談時に提出書類を整理

金融機関による審査
契約内容・価格妥当性・資金実体をチェック

審査結果

通る場合:契約締結

通らない場合:価格や書類を調整して再申請

5.親族間売買で住宅ローンを組む際の注意点

5-1. みなし贈与に注意

市場価格との差額は贈与税の課税対象

金融機関が審査しても、税務署の判断は別(私は、実務上、明らかに問題ないケースを除き、毎回、同行し税務署の回答をもらっています)。

適正価格の証明が必須

5-2. 書面化の徹底

「口約束」「簡易契約書」ではローン審査が通らない

契約書の不備は税務リスクにも直結

5-3. 返済能力の証明

収入や返済実績を明確に示す

親族間の便宜貸し(返済実態なし)はNG

6.親族間売買+住宅ローンでよくある質問

Q1. 親族間売買でローンは絶対に通らないことはありますか?

A1. 原則は通る可能性があります。
ただし、価格設定・契約書・資金の透明性が整っていない場合は否認される可能性があります。

Q2. 住宅ローン控除は使えますか?

A2. 条件によります。
売買契約が適正価格かつ居住用であることが前提です。

Q3. ローン審査に有利な書類は?

A3. 以下のとおり。
査定書
親族関係書類
売買理由書
契約書・資金授受の証明

7.親族間売買+住宅ローンの成功事例

成功ケース

売買価格:市場価格の90%

査定書取得

契約書・理由書完備

銀行事前相談で承認

失敗ケース

売買価格:市場価格の70%(私の経験では80%=路線価は危険です。)

契約書簡易

事前相談なし → ローン審査否決

ポイント:親族間ほど「準備」が命です。

まとめ

親族間売買でも住宅ローンは組める

ただし、価格・契約・資金透明性が審査の肝

事前準備と専門家関与で成功率が大幅アップ

みなし贈与や税務リスクにも注意

親族間売買は「感情」ではなく「設計」で成功が決まります。
住宅ローン審査をクリアし、トラブルなく不動産を取得するには、適正価格・契約書・専門家サポートの3点が必須です。
        
親族間売買で住宅ローンの審査が不安な方は、無料相談でワンストップサポートできます。
契約書作成、査定、ローン審査まで一気通貫で対応可能です。